社員ブログ/津軽
読書備忘録①
みなさんこんにちは!
木造店の川村です。
突然ですが、年始に立てた目標はありますか?2025年、四半期も終わり桜も咲くか咲かないかの今際ですが、年初に立てた目標には近づきましたか?
私は今年、本を読もう!と決めましたが、のっけから躓き、さぼった分を取り返そうと、現在奮闘中です。ブログに感想文を上げればサボり癖も落ち着くはず。しめしめ。というわけで、読書の備忘録を展開しようと思います。もう少し早くアップしたかったのですが、仕事がお蔭様で忙しくてこのタイミングとなりましたがお付き合い頂けましたら幸いです。
さてさて今年の一冊目は

↑本とリーディンググラスってか詰まるところ老眼鏡
『上杉鷹山の経営学』
PHP文庫|童門冬二
まずなぜこの本を読もうと思ったか、です。
尊敬する方が上杉鷹山公の本を読んでみて、と紹介してくれたからです。
上杉鷹山公と言えば…為せば成る為さねば成らぬ何事も、の方で、折に触れて覚えた言葉は頭の片隅にあるものの、実際に何を成した方かは恥ずかしながら存じませんでした。そもそも上杉家ってあの越後の龍の上杉謙信公の?だとしたら何で越後じゃなく米沢?そこからです。
本に書いてありました。上杉家は初代謙信公の頃は越後地方で200万石を超える収入を得ていたけども、謙信公の次の代の景勝公の時会津120万石に移封され、関ヶ原の戦いにて景勝公が西軍に味方した為、徳川家康公によって米沢30万石に減封左遷処分、4代目から5代目の代替わりの時相続に手抜かりがあり、危うく潰されかけ、15万石に減らされ家の存続を許された、というストーリーがあった事を。
収入が1/20近くになったというのに、人員整理を行わず、従来の慣習をすべて経費を伴ったまま守り続け、こうした積み重ねで藩の財政は真っ赤っか、火の車になってしまいました。本からの情報では藩の収入の90%が人件費…営業店の経営に置き換えるとよくわかると思います。利益の90%が人件費、という事ですね。
その上杉藩を引き受けたのが、17歳の鷹山公でした。17歳で凄惨な藩の財政状況に立ち向かうわけです。立ち向かうにしても、上杉家の子孫が家督を継いだのではなく、日向高鍋藩主の子孫が養子となったものですから、上杉家の知っている家臣も少なく、難しい船出であったことは想像に難くありません。
しかし鷹山公は着実に問題を解決していきます。
魔法のように、ぱっと昨日と今日で劇的に変わりました!的ではなく、忍耐強く、物事にあたったように感じます。
中でも人情の機微に敏感で、それを感じ、それによって人がどう出るか予測をしながら物事を決めていったように思います。
人情にほだされる訳でなく、感情によって起こり得る行動を冷静に見極めた、「機微に敏感」要素が強いです。この辺はさすが経営者(藩主)と思いました。
本の中で感動し涙をこぼしかけた話があります。詳しく書くと長くなるので端折ります。
変革の火種を広げるのは家臣(社員)の一人一人だ、と鷹山公が家臣団に語った事。
絶望的な状況の中にあり、僅かな火種を灰皿の中に見つけ、それを希望とした鷹山公。家臣にの心に火を灯し、それがのちのちまで希望として燃え続けます。このくだりがのちのちにまで影響し、灯った火を持った家臣やその家族が藩の改革に邁進していくんです。
情熱って人の心を揺り動かすのだなぁ、と感動してしまいました。
こちらの本は鷹山公の経営方針がまとめられており、現代にも通ずるやり方だなぁと思って読みました。
単なる歴史書ではなく、経営の観点が現代風に書かれており、それにうまく歴史がからんでいて面白かったです。
今も昔も柱となる事は変わらないのですね。昨今改革だ、変革だ、スピード感だ、と、猛スピードで変わることがあたかも美徳とされているような世の流れですが、鷹山公の経営方針を古いと思わないのは、それは変わってはいけない普遍的なもの、ということなのでしょう。
大変勉強になりました。
木造店 川村